ぜんぶデザインが違う。銀座線の出入口が街ごとに違うつくりな訳【銀座線デザイン探訪】

東京の街を歩いて、目的の駅の出入口を見つけ、改札へと降りていく。普段通りの何気ない日常ですが、ちょっと待ってください! 銀座線の出入口にはある秘密があるんです。なんと駅ごとに、すべて違うデザインになっているのです。そこに込めた思いをご紹介します。

街になじむようにデザインされた駅の出入口

開通90周年を迎える2017年12月に向けて、リニューアル工事が進行中の銀座線浅草〜神田駅間(下町エリア)。このエリアの駅の出入口は、各駅まったく違ったものになります。簡単に言うと、
地域の特色が織り込まれたデザインの出入口にすることで、街の景観に溶けこむようなつくりになっているのです。

お客様を乗せて運ぶだけではなく、駅そのものも楽しんでいただけるようにと思い、各駅のデザインを固有のものにしています。

各駅周辺の街の個性が豊かな銀座線だからこそのデザイン。浅草駅から神田駅にかけて、いくつかのデザインを見ていきましょう。

浅草駅は朱塗りで街との一体感を

浅草駅 銀座線駅出入口

浅草駅は浅草寺のお膝元。駅周辺は、商店街のアーケードや看板が朱塗りのため、駅の出入口も朱とダークグレーを使いながら周囲の景観に溶け込むようにしています。

田原町駅は曲線を使って

田原町駅 銀座線駅出入口

田原町駅は「かっぱ橋道具街」の玄関口。駅のリニューアルは「道具の街」をコンセプトにしています。出入口は、特徴的な曲線を使った外観に生まれ変わりますよ。

稲荷町駅はひし形を使ったデザイン

稲荷町駅 銀座線駅出入口

稲荷町駅周辺は、今も昔からの長屋の面影が残る歴史的な街。リニューアルコンセプトは「佇む街並み」と銘打たれ、工事も「駅だけでなく街をつくるんだ!」という意気込みで進行しています。駅の出入口はひし形のタイルを組み合わせた壁面をベースに生まれ変わります。

上野駅の出入口は桜がモチーフ

上野駅 銀座線駅出入口

上野といえば、世界文化遺産にも登録された国立西洋美術館をはじめとした、美術館のある街。そして、東京を代表する桜の名所でもあります。駅の出入口は桜の木をイメージして、木目調の外壁にし、窓ガラスには桜の花が舞う様子が装飾されています。

末広町駅はバーコードのようなデザインに

末広町駅 銀座線駅出入口

電気街としての面や、アニメなどのコンテンツ発信地としての顔をもつ秋葉原、その玄関口である末広町駅。リニューアルコンセプトは「でんきの街」。出入口は、壁の部分にガラスと白いパネル、黒いパネルをランダムに配置して、バーコードを表現したデザインになっています。

神田駅はちょっと昭和っぽく?

神田駅 銀座線駅出入口

神田駅のリニューアルコンセプトは、「昭和のオフィス街」。新たな神田駅の出入口は、いくつも配された小さな窓のようなデザインの壁面が特徴。地上に向かう階段を上がりながらその窓をのぞくと、神田の街並みがカンバスのように見える仕掛けです。さらに、その四角い窓枠を連続的に配置することで、家が建ちならぶ神田の姿を表現しています。

90年間の歴史を取り入れた駅も!

生まれ変わる駅のなかでも、昔のデザインやカラーリングを活かした駅があります。その駅は、稲荷町駅、田原町駅、浅草駅の3駅! いったいどのように?

稲荷町駅:そのまま保存される出入口も!

稲荷町駅 銀座線駅出入口

稲荷町駅の出入口は、90年前にデザインされたもの。外観の改修を行いながらも、90年前からそのまま残っている出入口があります。駅構内のリニューアル工事は進行中ですが、出入口はこの優れた外観を保存すべく、4つある出入口のうち、ひとつはそのままの姿で同じ場所に残し、ひとつは移築することが検討されているのです。新たなデザインの出入口とともに、懐かしい姿を見ることもできます。

田原町駅:90年前のデザインが復刻!

田原町駅の出入口は、昭和2(1927)年開通当時のデザインが復刻されます。ただ、全く同じものにするわけではありません。

田原町駅 銀座線駅出入口

カラーのものがリニューアル後の出入口イメージ。白黒のものが約90年前の田原町駅の出入口(白黒の出入口写真 提供:土木学会附属土木図書館)

リニューアル後の田原町駅の出入口は、大規模浸水対策を行うために、防水扉を備えたものにバージョンアップ! 現代の災害対策と90年前のデザインが見事にマッチした出入口に生まれ変わるのです。

浅草駅:浅草寺のべんがら色を取り入れた出入口に

浅草駅の出入口は、以前は商店街に穴がぽっかり開いて、茶色をベースとしたカラーリングの出入口でしたが...

リニューアル前の浅草駅出入口

リニューアル前の浅草駅出入口

リニューアル後は、浅草寺で実際に使用されている朱、「べんがら色」を用いたデザインに。雷門から続く商店街にすっかり溶け込んで、新しいのに違和感がなく、浅草の街の一部として生まれ変わっています!

浅草寺の「べんがら色」を取り入れてリニューアル

浅草寺の「べんがら色」を取り入れてリニューアル

地域の特色を取り込んだ、銀座線の駅出入口

12月のお披露目に向かって、着実にリニューアル中の銀座線下町エリアの出入口。駅同士の距離がそんなに遠くはないのに、これだけ違ったデザインの出入口にできるのは、それぞれの街がユニークだからこそ。

東京の街を結んで毎日走る銀座線。そのユニークなデザインの駅の出入口は、きっと東京に新しい風を吹かせてくれるハズ。お披露目の暁には、ぜひ1駅ずつ降り立って、街ごとの違う空気を楽しんでみませんか?

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