有楽町線に戦車が通るって本当!? 地下鉄にまつわる都市伝説をいろいろ東京メトロに聞く

こんにちは。ヨッピーです。
突然ですが、東京メトロが開通90周年だそうなので、地下鉄にまつわる問題です。

Q:日本でいちばん最初にできた地下鉄はどこでしょう?

A:上野駅〜浅草駅を結ぶ、現在の東京メトロ銀座線に該当する区間

正解は上野駅〜浅草駅間を結ぶ現在の東京メトロ銀座線の前身となる区間で、東洋初の地下鉄でもあった。当時の浅草は東京でいちばんの繁華街だったため、浅草を起点にして路線をつくったらしい。

開通時は、物珍しさから地下鉄に乗るために1時間とか2時間待ちの行列ができたとのことですが、上野駅から浅草駅のために1~2時間待ちなんてどう考えても歩いた方が早いじゃねぇか!

ちなみに開通したのは昭和2(1927)年だそうです。
そんな古い歴史のある地下鉄ですが、歴史が古いこともあって開通から90年が経った現在では、色んな都市伝説がまことしやかに語られていたりします。

例えば......

  • 国会議事堂前駅や永田町駅にはVIPしか通れない秘密の隠し通路があって、国会議事堂までそのまま行くことができる
  • 国会議事堂前駅は有事の際の核シェルターになる
  • 有楽町線は有事の際のために戦車が通れる幅になっている
  • 丸ノ内線は元々、普通の環状線として地上につくろうとしたのに途中で地下鉄に変更した。地下鉄なのにやたらと地上に出るのはそのせい
  • 某駅にはエレベーターのボタンを押しても「その階にはとまりません」というアナウンスが流れ、行くことができない政府専用の秘密の施設がある

などなど。

この辺はネット上ではよく引き合いに出される都市伝説なのですが、本当かどうかがイマイチよくわかりません。なので本日は......

ヨッピー

この辺の真相を東京メトロに聞いてみようと思います!

地下鉄の都市伝説が本当なのかいろいろ聞いてみよう

平野さん

さあ、そんなわけで本日はこの、「人のよさそうなおじさん」こと東京メトロの平野さんに「地下鉄の都市伝説の真相」について話を聞きたいと思います!

ヨッピー 本日はよろしくお願いします! 実は僕、事前に『東京メトロの都市伝説』について情報提供を呼びかけたら死ぬほど集まりまして。その辺についてお話を聞ければ!

平野さん どうぞ! 答えられる範囲で頑張ります!

ヨッピー じゃあ、順番にいきますね

Q1:某駅にはエレベーターが止まらない階があって、そこには政府専用の秘密施設がある。

平野さん では、お答えします

平野さん

平野さん バツです!

ヨッピー えー!

平野さん 実際に、この『エレベーターが止まらない階』がある駅は確かに存在します。ただし、政府専用の秘密の施設などではなく、電気設備の施設が入っているだけですね。ですので、社員や施工会社の方が業務上で利用するので一般のお客様は入れないようになっている、というのが真相です

ヨッピー ちょっとがっかりだな......

平野さん ご期待に沿えなくてすいません

ヨッピー では続いて第2問!

Q2:国会議事堂前駅には、国会議事堂から直接入れるVIP専用の秘密の通路があって、有事の際は核シェルターにもなる。

平野さん では、お答えします!

平野さん

平野さん バツです!

ヨッピー またバツかよ!

平野さん 東京メトロは、政府や自衛隊と連携して防衛に関係するような事業は行ってないんですよ。核シェルターの話は、実際に国会議事堂前駅がかなり深いところにつくられていることもあって、そこから派生しているのかも知れません。国会議事堂前駅がある千代田線は地形に段差がある上に、日比谷線の下もくぐってつくられているんですね。そういった関係で深いところに位置しているだけで、特別にそういった事態を想定して設計した、というわけではないんです」

ヨッピー なるほど......。ロマンがないな......

平野さん こういう『秘密の通路』みたいな都市伝説って、普通は電車が走らない『連絡線』というトンネルが地下鉄のホームや車内から見えることで生まれるのかもしれないですね。電車の回送やメンテナンスの際に使う線路なんですが、鉄道好きの人達は場所を知っていたりするので、『ここに謎の路線がある! 政府専用路線かもしれないぞ!』みたいな

ヨッピー 実際にそこをVIPの人が使うことは......?

平野さん ないですね。電車が回送などの業務上で走るだけなので......

ヨッピー むむむ......! じゃあ次!

Q3:有楽町線は有事の際に戦車が通れるようになっている。

平野さん

平野さん

平野さん バツです! メトロの路線は国などが策定する都市計画に基づいてつくられているので、そもそもの設計思想にそういったものがないですね

ヨッピー まあ、これは正直僕も眉唾だなって思ってました。線路も敷いてあるしあんなところをクソ重い戦車が通れるとは思えん......。じゃあ次!

Q4:丸ノ内線はそもそも環状線として地上につくろうと思っていたのに、途中で計画を変更して地下鉄になった。やたらと地上に出るのはそのせい。

ヨッピー

ヨッピー 僕、これはけっこう信憑性あるなって思ってるんですよ。丸ノ内線ってやたらとぐるーって迂回してるし、確かに地下鉄なのに地上に駅があるところも多いじゃないですか。正解は......?

平野さん

平野さん バツです

ヨッピー さっきからなんなんだ

平野さん まず、地上にたくさん出るっていうのは単純に山と谷をぬっているからですね。地形がデコボコのところをまっすぐ掘れば、谷になっているところでは地上に出ます。例えば四ツ谷駅って、立地がやっぱり谷になっているので駅が地上にでている。渋谷駅もそうですね、一帯が谷になってるので。銀座線渋谷駅のホームが地上3階にあるのもそのせいです

ヨッピー バツばっかりじゃないですか! 全然ロマンがない......

平野さん 大変申し訳ありません。ただ、『丸ノ内線がそもそも環状線として設計された』っていうことではないのですが、実は昔、環状線をつくる計画があったようなんです

地図を広げてくれる平野さん

平野さん 例えばこの図面なんですが、これ、丸ノ内環状線化計画の図面なんです

丸ノ内環状化計画図

丸ノ内環状化計画図

平野さん 古い図面なのでちょっとわかりづらいのですが、この図面によると、銀座線を丸ノ内周辺で環状線化する計画はあったみたいなんですね。ぐるっと東京駅までを繋ぐような。この丸ノ内環状線計画はほとんど知られていませんので、丸ノ内線の都市伝説にというのはあまり考えられませんが......

ヨッピー なるほど......。こういうふうに計画が途中で変わることもあるんですね

平野さん そうなんです。丸ノ内環状線計画が実行されなかったのは、関東大震災が起こって資金不足になったことと、東京市(当時)の都市計画が大正14(1925)年に告示されたことに要因があるようです。開通していれば、今とは違った街の形になっていたでしょうね。他にも例えば、環状化を計画してみたけれども計画だけで終わったものとしてこういうのもあります

浅草公園駅(計画)

平野さん これは浅草周辺の環状化計画なんですが、現在の田原町駅、浅草駅以外に『浅草公園駅(計画)』っていうのがありますよね。今でいう浅草花やしきの近くに駅をつくって環状化する計画もあったみたいです

ヨッピー こういう図面がちゃんと残ってるってすごいな......

平野さん いかんせん開通して90年ですから、当時のことを知っている人なんて社内にもいないんですよ。だからこういう図面は全てデータ化して保管しております

ヨッピー なるほどなぁ~。でも本当にバツばっかりで全然夢もロマンもない......

平野さん そうですね......。でも、例えば『ちゃんと実在する都市伝説』みたいなものはありますよ。『表参道駅のすぐ隣に昔の表参道駅が残っている』とか。鉄道好きの方の間では有名な話ですが

ヨッピー 何それ全然知らない

平野さん 実際に見に行ってみますか? 現場担当者に確認してみますよ!

ヨッピー え!? いいの!? やったー!

幻の旧表参道駅を見に行こう

ヨッピー

さあ、そんなわけで特別に許可を得て、営業終了後の表参道駅に来ました!

無人のホーム

この人っ子ひとりいないホームの姿を見よ! すごい変な感じがする......!

望月さん

そして、そんな閑散とした表参道駅のホームに、やたらテンションが高い男性がひとり。
放送作家、かつライターの望月崇史さん。
望月さんはひらすら鉄道に乗ってひたすら駅弁を食べ、ひたすらその紹介をするという狂った連載を続けている筋金入りの鉄道ファン。
今日は「旧表参道駅に入れる」という今回の企画を聞いて急遽参戦してきたらしい。

ヨッピー 望月さん、なんでそんなにテンション高いんですか。まわりはめっちゃシーンってしてるのに

望月さん だって、旧表参道駅って幻の駅ですよ!? しかもそこに実際に行けるなんて! 鉄道好きならこんなに光栄なことはないでしょうよ! ヨッピーさんももっとテンションあげてください!

ヨッピー なるほど。全然ピンとこないな......

望月さん ちょっと! そんなテンションだと鉄道ファンに怒られますよ!

ヨッピー な、なんかすいません......

幻の旧表参道駅

実はこの幻の旧表参道駅、現在の表参道駅のホームの端からでも、うっすらその面影を見ることができる。隣接している、っていうくらい、本当にすぐそばにあるのだ。
当然ながら現在は立ち入ることはできない!

先導してもらう

先導していただいていよいよ......

旧表参道駅内部

旧表参道駅内部

旧表参道駅内部

望月さん うぉおおおおおーーーー! 感激!! 歴史の重みがすごい!!!!

ヨッピー おーーー! 完全に廃墟やん! ゾンビが出てくるゲームの舞台にありそう! 銀座線よく使うけど、こんなスペースがあるなんて知らなかった......! 普段は一瞬で通り過ぎるもんな......

望月さん ヨッピーさん! これこれ、これ見てください!

すいがら入れの看板

望月さん ほら!看板がまだ残ってます!

ヨッピー おお、駅のホームでタバコが吸えた時代なんですね

望月さん そうなんですよ! 今だとちょっと考えられませんが、当時はどこでもタバコが吸えましたからね。いやーー、懐かしいな~~!

ヨッピー 懐かしい、ってアンタもまだ覚えてもないころの話でしょうよ

当時の銀座線の様子

ちなみにこれが当時の銀座線のホームの様子。現在の一般的な駅のホームに比べると幅が狭いように見える。

望月さん あっ! ヨッピーさん!

望月さん

望月さん 水飲み場の跡です!!!!!!!! 水飲み場!! 最高!!!!

ヨッピー えっ、水飲み場でそんなにテンション上がります?

水飲み場

ヨッピー そういえば昔の駅って、確かにこんな感じで水飲み場がついていた気がします。ここでうがいをしたりとか。今みたいに自販機がいっぱいなかったころって、こういうので水分補給してたんですかね

密集して打ち付けられたリベット

望月さん あと、このリベットの具合を見てください! 今では技術が発達してこういうリベットを打ちまくる工法は使われなくなったんですが、昔の名残が残ってますね......! 銀座線って、いかんせん戦争前からある路線ですから、年季の入り方がハンパないですわ......。こういう昔の名残を見られるものってどんどん少なくなるんでしょうね......

ヨッピー さっきからペラペラとよくしゃべる人だな......

千代田線方面への案内板

千代田線方面への案内板も現存。
当時は一度改札を出ないと千代田線に乗り換えできなかったらしい。

ちなみにそんな旧表参道駅、現在は資材置き場になっていて関係者以外は立ち入り禁止になっている。

資材置き場

望月さん いやー、この駅が完成したのが昭和13年ですから約80年前ですね。80年前にできたものがこうやってまだ残っているっていうのがすごい

コンクリートの打ちっ放しの壁

望月さん 例えばここ、赤いライトを当てた部分だけ、タイルが貼られてなくてコンクリの打ちっぱなしになってるんですよね。位置関係からして、おそらくはここに元々出入口があって、駅を今のホームに移動させたときに埋めちゃったんじゃないかな

ヨッピー おお。ほんとだ。ここだけ質感が違う

望月さんとヨッピーさん

望月さん あと、天井部分もリベット打ちの鉄骨が入ってる部分と、コンクリが打ちっぱなしになってる部分が分かれてるんですよね......。確かこの駅の建設には東京メトロの前身の2社、東京高速鉄道と東京地下鉄が関わっているはずなので、その工法の差、ですよね?

ヨッピー 僕にわかるわけがないでしょ

旧表参道駅の天井

結局、「もう少し! もう少し!」と粘る望月さんに付き合い、まるっと1時間、旧表参道駅を堪能。いやー、普段使っているホームのすぐ隣にこんなスペースが広がってるとは思わなかった......!

ちなみに、東京メトロが展開する地下鉄開通90周年イベント「TOKYO METRO 90 Days Fes!」において、2017年12月1日~18日にかけて今回見学した旧表参道駅がライトアップされているので、表参道駅~渋谷駅間で窓の外を見ると皆さんも当時の面影を見ることができるぞ!

望月さん ライトアップか~! 絶対行こう!

ヨッピー 今、さんざん見たくせに......

※銀座線幻の駅ライトアップイベントは終了しました。

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