MetroWalker 2015 Autumn
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www.tokyometro.jp分の荷物量なので、千駄は誇張表現であろう。別説では、太田道灌がここに栴せん檀だんの木を植えたのが訛なまって「せんだぎ」になったという(他にも色々な説がある)。広大な林の跡は、今は閑静な住宅地である。千駄木御林跡と千駄木駅の間には、団だん子ご坂ざか❹という急な坂がある。その名は、坂下の団子屋に由来するとも、雨の日に急坂で転ぶと泥団子のようになるからとも言われる。江戸末期〜明治期に、菊人形の興行がここで催され、今では想像もつかないほど賑にぎわった。団子坂は、明治の文豪たちと関わり深い。坂上に森もり鷗おう外がいの旧居❺があり観かん潮ちょう楼ろうと呼ばれた(つまり東京湾が見えた)。跡地は、現在の文京区立森鷗外記念館である。日本初の女流文芸誌『青せい鞜とう』を出した青鞜社も団子坂にあった。江戸川乱歩は一時期、団子坂で古本屋「三人書房」を営んでいた。その店をモデルに、明智小五郎が初登場する小説『D坂の殺人事件』が書かれた。D坂とは団子坂のことだ。今なお若者に人気の千駄木界かい隈わい。歴史に思いを馳せつつ休日に散策してはいかが?右/文京ふるさと歴史館にある団子坂のジオラマ。左/現、団子坂。夏目漱石の『三四郎』や、二葉亭四迷の『浮雲』に、この菊人形が出てくる。正岡子規は、「自じ雷らい也や もがまも枯れたり団子坂」と詠んだ。はらしまひろし/歴史・サイエンスライター。日本3D プリンター㈱顧問。古地図・戦前絵葉書蒐集家。NHKの「ブラタモリ」に2回出演し、絵葉書のコレクションを披露する。著書に『東京今昔散歩』(文庫版・ワイド版)『横浜今昔散歩』『百人一首今昔散歩』他(KADOKAWA)や、『骨単』『肉単』(エヌ・ティー・エス)がある。プロフィール永田町駅国会議事堂前駅国会議事堂 P.5四ツ谷駅市ケ谷駅旧陸軍士官学校本部市ヶ谷記念館 P.6霞ケ関駅手しごと屋 咲くら 農林水産省店 P.7永田町駅新美堂 P.7桜田門駅法務省赤れんが棟法務史料展示室/メッセージギャラリー P.7三越前駅日本銀行本館 P.4北千住駅宇豆基野 本店 P.12人形町駅おにぎり屋シチロカ P.13築地駅和食かとう P.13江戸川橋駅関口フランスパン本店 P.14門前仲町駅明治丸 P.8八幡橋 P.9有楽町駅喫茶ローヤル P.15葛西駅地下鉄博物館 P.9王子駅紙の博物館 P.10アトリエ・ド・リーブ赤煉瓦Cafe(北区立中央図書館) P.10豊洲駅R.O.STAR 豊洲店 P.15月島駅八丁堀駅石川島資料館 P.10日比谷駅アーカイブ・カフェ(日比谷公会堂) P.10末広町駅フルーフ・デゥ・セゾン P.21千駄木駅和栗や P.21六本木駅ベトナムごはん ロータスパレスEAT&DELI P.13市ケ谷駅チリパーラー9 P.15乱歩の『D坂の殺人事件』(大正13 年)の頃の団子坂。菊人形は廃すたれ、紫泉亭跡に民家が並び、昔の賑わいはもはやない。03出典/「東都名勝図絵」(大正9)より

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