資材置き場が少なすぎ!銀座線末広町駅、狭いがゆえの工事の苦労【工事の進捗いかがですか?】

銀座線リニューアル工事の現場に潜入し、その進捗をお伝えしている「工事の進捗いかがですか?」。第7弾となる今回は末広町駅にやってきました。日本が誇る電気街にして、世界に発信するカルチャーの街・秋葉原にほど近い立地。いったいどんな工事が行われているのでしょうか?

末広町駅の工事を統括する、東京メトロ工務部の大阿久大樹(おおあく・ひろき)さんに案内していただきます。末広町駅は、電気街として名を馳せた秋葉原にほど近い駅。リニューアル工事のステーションコンセプトも、ずばり「でんきの街」です。

駅が狭くて資材置き場が確保できない!

大阿久さん、さっそく苦労していることを教えてくれました。それは「駅が狭いゆえに資材置き場を十分に確保できない」というもの。

「駅は工事期間中もお客様がご利用されるので、お客様の通行スペースを確保しながら、工事を進めなければなりません。そのため、狭い駅では資材置き場が広く確保できず、工事が進むたびに少しずつ駅に運び込んでこないといけないんです」

末広町駅は、銀座線の下町エリアのなかでも、接続路線のない比較的小さな駅。駅構内はコンパクトにつくられているのです。

駅全体が小さいということで、天井も比較的低め。その天井には、お客様向けのさまざまな案内板や照明設備が備えつけられています。資材の搬入にあたっては、これら既存の設備を傷つけるようなことがあってはいけません。

そこで、工事の開始にあたって、作業員への注意喚起のために、天井に設置物があるところにはビニールの「注意喚起テープ」が貼られていきます。ホームのいたるところから、テープがぶら下がっている様子は、工事中の駅ならではの光景ですね。

「玉突き工事」がまた大変!

渋谷方面行きホームの改札周辺は、壁の色も落ち着いたものになって、少しずつリニューアル後の姿を現しつつあります。この改札に併設された駅事務室とトイレのリニューアル工事は、「玉突き工事」と呼ばれる方法で進められています。「玉突き工事」とは限られた空間で仮設を繰り返し、徐々に改修していく工法のことを指します。

「玉突き工事は、駅事務室やトイレなどの駅になくてはならない施設の工事で行われることが多いです」と大阿久さん。通常では機能を一時停止しなければ工事できないところを、仮設することで機能を活かしながら工事することが可能になるというメリットがあるそうです。

奥の改札の右側にみえるのが新しい駅事務室

末広町駅では

旧・お客様用トイレ→仮の駅事務室に改装→資材置き場として使用→新・お客様トイレに改装

という手順を踏んでいるのだそう。

新しいお客様用トイレ。少し前までは仮の駅事務室として使われ、現在は資材置き場として活用されています。

末広町駅で玉突き工事が用いられたいちばんの理由は、工事中のトイレの確保のためだそうです。というのも、もし工事でトイレを閉鎖してしまうと、駅構内にお客様が使えるトイレがなくなってしまいます。そこで、駅員用トイレを臨時のお客様用トイレとして活用し、駅事務所の工事とも連携するかたちで「玉突き工事」が行われました。

末広町駅のリニューアル工事では、設計段階から玉突き工事を想定し、数か月先の工程まできっちりと決めた上で、工事が行われているのだそうです。

また、再び駅事務室に戻すことが決まっている場所を改装するにあたって、残せる配線等はそのままにして工事をしたそうです。作業員はパズルにひとつずつピースをはめていくような、精度の高い仕事を求められたとのこと。

なお、リニューアル後のトイレには、パウダーコーナーが設けられたり、ベビーシートが増設されたりするなど、女性や子育て中の方に便利な設備ができることになっています。綿密な計画は快適なトイレのために。完成のあかつきには、ぜひご利用ください。

でんきの街を象徴するパネルはリニューアル後も活用!

続いて案内していただいたのは、末広町駅の倉庫として使っている場所。ここで大事に包装され、保管されていたのは、リニューアル前の末広町駅で電気街をイメージして使われていたパネルでした。

リニューアル工事前のパネル。でんきの街らしく、電化製品のモチーフが並ぶ

ビデオカメラ、大きなデスクトップパソコンとキーボード、電子レンジ、ミシンなど...1980年代を彷彿とさせる、どこか懐かしい壁画のパネル。リニューアル工事期間中は取り外されています。しかし、このパネルは、リニューアル後の末広町駅に再び登場するそうです。

末広町駅のリニューアル工事に携わって1年半という大阿久さん。末広町駅は大阿久さんが前の部署にいたときから継続して担当し続けていて、「この現場への思い入れは人一倍強い」そう。それだけに今、工事全体が仕上げに入ってきたことで、ひと際の充実感を覚えているそうです。

素人の考えでは「小さな駅なら、大きな駅と比べて工事は簡単だろう」とつい思ってしまいます。でも、小さな駅には小さな駅なりの課題があり、それに対する工夫が求められるのです。でんきの街にふさわしい駅へと生まれ変わる末広町駅をどうぞお楽しみに!

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