「キン」「シン」「トラ」東京メトロの回数券に印字される謎のカタカナの正体とは?

「キン」「シン」「トラ」暗号のようなこの謎のカタカナ、あなたは気づいていましたか? 今回は、銀座線の回数券に書かれた謎の文字に迫ります!

不思議なカタカナの生みの親は「電報」

ICカードが普及した現在、使われることも少なくなった回数券。その回数券に記された謎のカタカナ、なんのことだかわかりますか? 写真では2枚の回数券に別の文字が印刷されています。実はこれは回数券を買った駅による違いなんです。

東京メトロのすべての駅には、「略号」というものが存在します。渋谷駅なら「シフ」、赤坂見附駅なら「ツケ」など、すべての駅名がカタカナ2文字で表せるようになっているのです。

「略号」は「鉄道電報略号」の略と言われています。『鉄道辞典 補遺版』(1966年)によると、「用語を簡略化し電報の伝送を能率的に行う目的で、業務上使用率の高い事項に対し、略号を定めた」とあります。つまり、鉄道業務でよく使う言葉を電報のために省略したものを指します。一般的に、迅速さと正確さが求められる鉄道業務においては電報が重宝されていたのです。

「キン」、「シン」、「トラ」はどこの駅?

この記事のタイトルでご紹介した「キン」は銀座駅。駅名の略号はカタカナ2文字で表記し、濁音は使われない傾向にあります。渋谷駅を「シフ」、外苑前駅を「カイ」と表します。

「シン」は新橋駅です。いまでこそ新宿、新中野、新高円寺など、新●●という名前の駅は東京メトロの路線にたくさんありますが、銀座線の新橋駅が「シン」をとったかたちになっています。ちなみに丸ノ内線の新宿、新中野、新高円寺の略号はそれぞれ「シク」、「シナ」、「コエ」となります。

「トラ」は虎ノ門駅です。トラ以外にも東京メトロには、「タカ」、「ヒヒ」とまるで動物のような略号がいくつかあります。「タカ」は東西線高田馬場駅、「ヒヒ」は日比谷線・千代田線日比谷駅です。

皆さまに略号を直接みていただく方法は、回数券を買っていただくこと。回数券を買う機会があったらぜひご覧になってみてください。

一挙公開! 銀座線の略号

最後に、銀座線の駅の略号をご紹介します。

  • 浅草 アサ
  • 田原町 タワ
  • 稲荷町 イナ
  • 上野 ウエ
  • 上野広小路 ウヒ
  • 末広町 スエ
  • 神田 カタ
  • 三越前 ミコ
  • 日本橋 ニホ
  • 京橋 キヨ
  • 銀座 キン
  • 新橋 シン
  • 虎ノ門 トラ
  • 溜池山王 タメ
  • 赤坂見附 ツケ
  • 青山一丁目 アオ
  • 外苑前 カイ
  • 表参道 サン
  • 渋谷 シフ

以上のようにすべての駅に略号があります。どの駅がどんな略号なのかを考えるのも楽しいですね。

東京メトロの回数券に印字された謎のカタカナには、こんな理由が隠されていました。もしも、銀座線の回数券をご利用の際は、開通から90年を迎えるその歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

出典:『鉄道辞典 補遺版』(日本国有鉄道、1966年)、『鉄道電信・電話及設備講義』(東洋鉄道学会、1928年)

Metro Walker 2015年夏号より

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