東京メトロ・最高峰の駅をつくりたい! 現場の情熱と責任感に支えられる、銀座駅のリニューアル!【工事の進捗いかがですか】

銀座線リニューアル工事の現場に潜入し、その進捗をお伝えしている「工事の進捗いかがですか?」。いよいよ、銀座線全19駅の半分・折り返し点となる第10弾となりました。今回はついに、銀座線の顔ともいうべき「銀座駅」に潜入いたします。歴史ある建物と新しい建物が共存する街・銀座。街の玄関・銀座駅は、リニューアルで、一体どのように生まれ変わろうとしているのでしょうか?

江戸時代の銀貨鋳造所に由来する「銀座」。明治5年(1872)の大火を機に、政府によって西欧風のレンガ街に生まれ変わり、大きく発展してきました。まさに"東京のど真ん中"ともいえる「銀座」の地下へ、東京メトロ工務部の佐藤 聖(さとう・しょう)さんにご案内いただきました。

地下鉄の父・早川徳次の胸像に見守られて進む、リニューアル工事!

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銀座駅を訪れたからにはまず、銀座線の開業に最も貢献し、のちに「地下鉄の父」と称されるようになった早川徳次の胸像を表敬訪問!

この胸像は早川の緑綬褒章受章を記念して昭和16(1941)年に設置されたもの。当初は新橋駅に置かれていましたが、昭和52(1977)年の地下鉄50周年を機に銀座駅に移され、東京の地下鉄の発展を見守り続けてきました。銀座駅のリニューアル工事は"地下鉄の父"のまなざしが注がれる中で、着々と進められているのです。

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そんな早川徳次の思いを受け継ぐ場所があると、さっそく佐藤さんに案内いただいたのは、地下1階・銀座四丁目交差点方面改札と松屋方面改札を結んでいるコンコースの仮囲いの中。

では、気になる仮囲いの中を見せてもらえますか?

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仮囲いの中では、従来の壁が概ね撤去された中、レトロな壁タイルが一部顔をのぞかせていました。銀座駅のコンコースは、「かつての銀座の街並み」をイメージしたものにリニューアルされる予定です。

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こちらが完成イメージ図。この壁タイルはそのまま保存されてガラス越しに見えるようになり、早川徳次の手によって銀座線が開通した昭和初期の銀座を象徴するスポットになるという訳なんですね。

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また、銀座駅コンコースの天井は、開業当初の曲線上のものを部分的にそのまま活かす予定。開放感ある、緩やかな曲線美が、昭和モダンの世界へと誘ってくれそうです。

レモンイエローの光が演出する「憧れの街」へ!

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老舗百貨店に直結する銀座四丁目交差点方面改札周辺は、まだ工事が始まったばかり。今後、上記の写真に写っている、柱の向こう側に見えるきっぷ売り場の移設工事が行われ、改札がより広くなる予定です。また、改札の位置もより手前になり、現在の柱のあたりに設けられることになっています。

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こちらが新たな改札口の完成イメージ図。銀座線のシンボルカラー・レモンイエローの光が灯る「光の柱」がお客さまを銀座の街へと導きます。

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レモンイエローの光の柱は、地下2階の銀座線ホームにも設けられます。新設する光の柱だけ残して、現在階段の横にある壁は撤去し、光でコンコース階とプラットホーム階を結んでいく工事がこれから行われていきます。

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こちらが完成イメージ図。改札階とホーム階が相互に見渡せるようになり、開放感あふれる空間になりそうですね。工事自体は、まだ少し先になりそうですが、2020年夏には工事を完了させる必要があるため、今後急ピッチで工事が進められていくそうです。

工事関係者の皆さんも仰天!銀座駅に「幻の階段」が!!

そんな銀座駅ホームの最も新橋寄りにある階段の裏側を、リニューアル工事に伴って開いたところ、なんと現在設置されている階段の逆向きに設置された階段が現れたとのこと。早速見せてもらいました。

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佐藤さんをはじめ、関係者もビックリしたという"幻の階段"のがこちら。お客さまの動線に合わせて付け替えられたものなのでしょうか。

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ホーム階では現在、壁のタイルの撤去工事が行われています。既に浅草方面行の線路側は完了し、貴重な"すっぴん"状態の壁に...。

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一方で、渋谷方面行の線路側は、壁を壊す際に粉じんが飛散しないよう、シートを覆っての作業が始まったところでした。

実はこの撤去工事、慎重に慎重を期して行われている作業なのです。軌道内には鉄道の運行に関する設備が多く、一歩間違えば列車の運行に支障をきたすため、丁寧に壊していく必要があるんですね。

なお、このホームの壁面には、最終的に昭和初期から現在までの銀座の写真が展示され、「移ろいゆく銀座」を体感できるようになる見込みです。

ハイスピード、ハイクオリティが必須! 銀座駅のリニューアル工事!!

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「この柱が光柱に生まれ変わる予定です」と案内してくれる佐藤さん

一晩におよそ130人から140人態勢で行われている、銀座駅のリニューアル工事。壁などの撤去作業は、およそ5割から6割の進捗だといいます。しかし、これから銀座駅では、さらなる難工事が待ち受けています。

特に14カ所もある駅の出入口の工事では、難易度の高い構造計算を必要とする上家を同時並行で工事する必要があります。しかも、百貨店や商業ビルが立ち並ぶ、日本随一の繁華街ゆえ、それぞれのお店の皆さまにご協力をいただいた上で、工事を進めていかなくてはなりません。

「2020年7月」が大きな工事のリミットとなる、銀座駅のリニューアル工事。残すところ1年半あまり、「即断即決で課題に取り組んでいく必要がある」と、気を引き締める佐藤さん。その中で、「日々、変わっていく駅の風景が大きなモチベーションになっている」と話します。

銀座線の顔であり、丸ノ内線・日比谷線も乗り入れ、東京メトロを代表する駅の1つでもある「銀座駅」。
『東京メトロ・最高峰の駅を作り上げたい!』と語る佐藤さん。
その責任感と情熱が、ハイスピードかつハイクオリティなリニューアル工事を支えています。

銀座駅:2020年7月リニューアル完了(一部除く)

2018年10月24日時点

望月崇史(もちづきたかふみ)

書いたひと:望月崇史(もちづきたかふみ)
1975年静岡県生まれ。放送作家。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは足かけ15年、およそ4500個! 放送の合間に、ひたすら好きな鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。 ラジオの鉄道特番出演、新聞・雑誌の駅弁特集でも紹介。 現在、ニッポン放送のウェブサイトで「ライター望月の駅弁膝栗毛」を連載中。
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