地下鉄ってどうやって作られているの?地下鉄博物館で、地下鉄ができるまでを調べてきた【銀座線探偵団】

首都圏の暮らしに無くてはならない乗り物・地下鉄。毎日のように、通勤・通学の足として使っている方も多いと思います。当たり前のように存在している交通インフラですが、そもそも地下鉄ってどうやって作られているのでしょうか? 地下鉄工事のプロセスや歴史について学ぶことができる、地下鉄博物館に行って調べてきました。

望月崇史(もちづきたかふみ)

書いたひと:望月崇史(もちづきたかふみ)
1975年静岡県生まれ。放送作家。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは足かけ15年、およそ4500個! 放送の合間に、ひたすら好きな鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。 ラジオの鉄道特番出演、新聞・雑誌の駅弁特集でも紹介。 現在、ニッポン放送のウェブサイトで「ライター望月の駅弁膝栗毛」を連載中。

トンネルってどうやって掘っている?「開削工法」と「シールド工法」

やってきたのは、東京メトロ東西線葛西駅の高架下にある「地下鉄博物館」。ここでは、日本のみならず世界の地下鉄とその歴史をはじめ、車両の仕組みや安全に運行するための取り組みなどを学ぶことができます。加えて、地下鉄のシミュレーターや、東京の地下を模型で再現した「メトロパノラマ」なども充実。「学び」と「遊び」を両方楽しめることから、小学生の自由研究、地方からの修学旅行の見学スポットとしても人気を集めている場所なんです。ここ数年では訪日外国人観光客の来館も増えているのだとか。

トンネルってどうやって掘っている?「開削工法」と「シールド工法」

入館すると、近くに「地下鉄をつくるコーナー」があり、タッチパネル式のモニターでトンネルを掘る技術を映像で学ぶことができます。

地下鉄のトンネルを作る主な工法は2つ、「開削工法」と「シールド工法」。銀座線のような歴史のある路線は、主に地面を上から掘る「開削工法」で作られました。特に銀座線の多くの区間は、ほぼ人の力で掘り進められた記録が残っています。その後、新しく開業した路線などでは、技術の進歩に伴って開発された機械・シールドマシンを使って掘り進む「シールド工法」が用いられています。このシールドマシンのお陰で、地上の交通を妨げることなく、地下深い場所での工事も可能になったのです。

トンネルってどうやって掘っている?「開削工法」と「シールド工法」

地下鉄博物館には、このシールドマシンの先端にあるカッターディスクが展示されています。大きさは成人男性の身長を遥かに上回るほどです。シールド工法では、このカッターディスクで土砂を掘削しながら進み、掘った後ろではセグメントと呼ばれるコンクリートブロックをトンネル状に組み立てていきます。

トンネルってどうやって掘っている?「開削工法」と「シールド工法」

正面から覗き込むことでトンネルを掘り進めて行く様子を3D画像で見られる

その「シールドマシン」が土砂を掘削していく様子が体感できるのが、地下鉄博物館の「アンダーグラウンド3Dシアター」。シールドマシンのカッターディスクの先端にあるカメラをのぞいているかのように、前から飛び出してくる土や石を迫力映像で楽しむことができます。

トンネルってどうやって掘っている?「開削工法」と「シールド工法」

地下鉄博物館では、シールド工法によってできた実物大のトンネルを体感することもできます。
実際の車両のレール幅に合わせて設けられている黄色いライン(写真中央)は、車両の大きさの限界を示す「車両限界」。一方、青いラインは、トンネル内にホームや信号機、設備などの建築物を設置する際はこの青い枠より外側につくりましょう、という基準を示している「建築限界」というものです。このように、地下鉄の建設では安全に列車を走らせるためにさまざまなルールが存在しているのです。

トンネルってどうやって掘っている?「開削工法」と「シールド工法」

こちらは、東京メトロ半蔵門線・永田町駅の断面模型。
2つのシールドトンネルを組み合わせた"メガネシールド"と呼ばれています。「シールド工法」を用いたトンネルは、円筒形になっているのが特徴です。永田町駅は銀座線の赤坂見附駅と繋がっており、半蔵門線のホームから銀座線のホームへ行けば、そのトンネルの形の違いがひと目で分かりますよ。

また、銀座線の表参道駅は、開削工法で作られた銀座線と、シールド工法で作られた半蔵門線が並んでいるので、2つの路線を乗り継げば、その違いがより実感できることでしょう。

地下鉄博物館の人気コーナー「電車シミュレーター」を体験!

地下鉄博物館の人気コーナー「電車シミュレーター」を体験!

こちらは地下鉄博物館の人気コーナー「電車シミュレーター」。実際に電車を操作してみると分かりますが、列車を停止位置にピタリと停めるのは、簡単そうに見えて、じつは意外に難しいワザ。ついついトンネルに目を奪われて、停止位置を誤らないように注意しましょう。

このシミュレーターは実際の映像を使って作られていますので、普段はあまり目にすることができない駅間のトンネルの形状も、自分の目で確認することができます。銀座線はもちろん、有楽町線、東西線のシミュレーターもあるので、トンネルの違いもスグに分かります。

実はこの電車シミュレーター、週末には順番待ちの列が出来ることもしばしばなんだそうです。じっくりと各路線の違いを体感するなら、比較的空いている平日がおすすめ。実際、常連のお客様の中には、よく平日にお見えになっている方も多いとか。このほか、銀座線から引退して間もなく2年となる01系車両の先頭部分もあって、大人の皆さんにとってはちょっぴり懐かしい気分も味わえます。

大胆かつ繊細に掘る地下鉄のトンネル!

大胆かつ繊細に掘る地下鉄のトンネル!

「開削工法」から「シールド工法」へ、人間から機械へ、工事の方法は大きく変わりましたが、今も地下の工事では、電気・ガス・水道など、ライフラインの埋設物などに十分な配慮が必要です。そして、地上交通への影響も、できるだけ最小限に抑えながら工事が行われています。地下鉄の建設は、大胆さと繊細さが同時に求められるのです。

ディープな地下鉄の世界を分かりやすく理解ことができる地下鉄博物館。地下鉄が好きな方はもちろん、子どもの自由研究のネタに困っている方にもおすすめのスポットです。

取材協力:地下鉄博物館(ちかはく)
地下鉄の歴史から最新技術まで 『みて・ふれて・動かして』学習できる参加型ミュージアム。

■開館時間
午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

■休館日
毎週月曜日(祝日・振替休日となる場合、その翌日)、年末年始(12/30~1/3)
※台風など自然災害、または館の都合により、臨時休館または休館(時間も含む)の変更をする場合があります。

■所在地・連絡先
〒134-0084
東京都江戸川区東葛西六丁目3番1号 東京メトロ東西線葛西駅高架下
電話:03-3878-5011 / FAX:03-3878-5012

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