東京メトロ 銀座駅デザインコンペ

公開プレゼンテーション・表彰式/開催レポート

2017年2月27日 表参道ヒルズ 本館 B3F スペース オーにて、一次審査通過者による公開プレゼンテーションを開催いたしました。 11組のプレゼンターの方から、それぞれ素晴らしいプレゼンテーションが行われ、活発な質疑応答が交わされました。

また、当日は77名の方にご観覧いただき、盛況に開催することができました。この場を借りて、ご来場いただいた方々に厚く御礼申し上げます。
公開プレゼンテーションの後、二次審査を行い各賞を選定し、 表彰式にて各賞の発表が行われました。

 

Public Presentation/ Award Ceremony Report

The Public Presentation by First Review Winners was held on February 27th, 2017 at “Space O”, Main Building B3F, Omotesando Hills. Each of eleven honorable presenters conducted excellent presentation which drew vigorous discussion. Owing to the audience reached to 77 people, this event ended a great success. We would like to take this opportunity to express our sincerest gratitude to all.

After the Public Presentation, and the Second Review by which the final winners were selected, the winner for each award were announced at the Award Ceremony.

①審査結果

  氏名(代表者) 所属 作品ページ
最優秀賞 具志 つや子 ノンスケール株式会社 受賞作品はこちら
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優秀賞

岩間 直哉

株式会社博報堂プロダクツ

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Luisa Vicente Martinez

Tony Meadows Associates Ltd

入選

川口 哲太郎

株式会社NTTファシリティーズ

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松田 豪

三井デザインテック株式会社

竹内 啓

新田 知生

向日葵設計

谷山 大介

シービーリサーチ一級建築士事務所

特別賞
山村明義委員長選定

田畑 洋人

ロンドン・メトロポリタン大学

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特別賞
紺野登副委員長選定
Giacomo Sponzilli

特別賞
松下美紀委員選定
Pakorn Tavanapong

Interiors Inc. Co.,ltd

②公開プレゼンテーションの様子

公開プレゼンテーションは、当日の抽選で発表順を決め、最優秀候補8作品についてはプレゼンテーション10分+質疑5分、特別賞候補3作品についてはプレゼンテーション7分+質疑3分で行いました。
また、ご欠席の特別賞候補 田畑さんについては、ビデオプレゼンテーションを投影を行いました。
審査委員からも多数の質疑が寄せられ、活発な応答が行われました。

Presentation order was set by drawing lots made on that day. Each of the eight Best Design Award nominees conducted its presentation in 10 minutes with the following Q&A in 5 minutes. For three Special Award nominees, allocated amount of time was 7 minutes for presentation and 3 minutes for Q&A. Mr. Tabata who could not attend this event unfortunately conducted its presentation by video. All of those presentation drew plenty of questions from the Review committee members as well, and presenters responded vigorously.

会場の様子

  • 受付

  • ホワイエ候補作品展示

  • 会場全景

  • 審査委員

最優秀賞候補(8作品/発表順)

  • 入選

    新田知生さん
    新田愛子さん(共同制作者)
    Paolo Danesiさん(共同制作者)

  • 優秀賞

    岩間直哉さん
    加藤明日香さん(共同制作者)
    丹羽千沙子さん(共同制作者)

  • 優秀賞

    Luisa Vicente Martinezさん

  • 入選

    松田豪さん
    釣 真央美さん(共同制作者)

  • 入選

    谷山大介さん
    織田麻衣子さん(共同制作者)

  • 入選

    竹内啓さん

  • 入選

    川口 哲太郎さん

  • 最優秀賞

    具志つや子さん

特別賞候補(3作品/発表順)

  • 特別賞(松下美紀委員選定)

    Pakorn Tavanapongさん
    Ornchuma Sarayaさん(共同制作者)

  • 特別賞(山村明義委員長選定)

    田畑洋人さん
    (ビデオプレゼンテーション)

  • 特別賞(紺野登副委員長選定)

    Giacomo Sponzilliさん

質疑応答の様子

  •  

  •  

  •  

③表彰式

<表彰式の写真>

受賞者と東京メトロ奥義光社長、審査委員

奥義光社長(左)と具志つや子さん(右)

  • 司会のサッシャ氏(右)と岩嵜氏(左)

  • 会場の様子

  • 銀座線を中心に、色々な路線が縦横無尽に張り巡りながら、東京のまちを支える「東京メトロ」の路線をリングを組み合わせた球体により表現。タイトルは「永遠に信頼される」という思いを込めて命名。

    トロフィー「Infinity」 松下美紀委員デザイン

最優秀賞受賞者コメント
具志つや子さん

今は純粋に嬉しさでいっぱいです。私は表参道を通勤に使っているのですが、普段 使っている中でこう変わってほしいなっていう思いを形にしました。また、普段思っていることを形にできたので今回のテーマである調和(Accord)がしっくりきたと思います。仕事で疲れたときに明るく元気になれるような空間になってほしいという思いで、曲線の動きのあるデザインを用いたり、並木を統一して落ち着くような空間を設け、自分が欲しいと思うものを形にしました。

最優秀賞受賞作品 ACO-GARE

作品をクリックすると拡大表示します

総評 山村明義委員長 / 東京地下鉄株式会社専務取締役

最優秀賞をはじめ優秀賞、入選、特別賞の皆さん受賞本当におめでとうございました。
具志さんのコメントにもありましたが、我々審査委員一同も「こんな空間があったら楽しいだろうな」という気持ちに満たされ、大変楽しい時間を過ごさせて頂きました。
各作品とも、よく銀座線の歴史と伝統を捉えていただき、「未来の駅はこうでありたい」という気持ちにあふれている提案を頂いたと思います。
下町エリアからトレンドエリアまで、我々も5年間かけて様々な経験をさせて頂きました。この大変豊かな経験が、トレンドエリアの駅デザインコンペで終わることなく、2020年以降も共に得た経験をもとに時代の要請に応え、これからの駅をつくっていきたいと思います。

④銀座線トレンドエリア駅デザインコンペを終えて

紺野登副委員長 / 多摩大学大学院教授 知識イノベーション研究所代表

今、世界中で地下鉄のデザインコンペは大きな話題を呼んでいます。今回メトロさんがやられた銀座線駅デザインコンペは「ユーザーがどういう経験をして、どういう価値を得るかを考えて駅を考える」という点で、非常にユニークで、これからの鉄道デザインの方向性を変えていくのではないかと思います。

今回の作品は、非常に臨場感もあり、かつデザインセンスもある作品が多かったと思います。今 、デザイン思考という言葉が流行っていますが、単なるハードウェアとしての形のデザインではなく、人間的な価値から出発してデザインするという世界のトレンドに、地下鉄のデザインが入ったことは、新しい試みといっていいのではないでしょうか。

地下鉄は非常に古い伝統を持った交通機関ですが、デジタル化等の世界の流れによって伝統と先端が融合して、まったく新しいビジネスモデルが生み出されます。このコンペの様々な知見がこれから活きてくるのではないかと思います。

松下美紀委員 / 松下美紀照明設計事務所代表

足掛け5年、銀座線駅デザインコンペの審査委員を務めて参りました。地下空間である地下鉄は、自然光が入ってこない特殊な場所です。「照明」という人工の光をどのように考えるかといった光環境の重要性をメトロさんが理解して頂いたことにより、照明デザイナーとして審査員に入りました。今回の提案の中にも、照明デザイナーが審査員に入っていることで、陰影、反射、煌めきといったたくさん光を表現する言葉が見られました。ここまで照明の専門用語が飛び交うコンペは他にはなかったと思います。ご提案いただいた皆様が照明デザインを重要視して下さっているという事を深く感じました。人間の生体リズムと光環境の関係性を「サーカディアン」と言いますが、これからは照明を通じて、そこを利用する人々がまるで自然光の中にいるかのように癒されたり元気になったりと、健康に繋がっていく光環境が考えられていくでしょう。この考え方を取り入れたご提案も数多く見られ、未来を見据えたとても質の高いコンペになったと思っています。


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