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会社情報

トップメッセージ

社会のニーズに即した新たな価値を提供し、
「安心で、持続可能な社会」を実現する企業グループを目指します。

2020年初頭からの新型コロナウイルス感染症の拡大は、当社グループの事業運営に大きな影響をもたらしています。時代の大きな転換期を迎える中、私たちはこれを契機として、サステナビリティを中心に据えた企業経営を推進し、「安心で、持続可能な社会」の実現を目指します。

2019年度を振り返って/
東京メトロプラン2021の進捗

2019年度は、天皇陛下のご即位に伴い、新しい時代を迎える祝賀ムードでスタートしました。一方で、秋の台風15号・19号は国内に甚大な被害をもたらし、当社でも計画運休の実施など大きな影響がありました。当社グループを取り巻く情勢は、2019年こそ活発な都心再開発や好調なオフィス需要、訪日外国人旅行者の増加などにより旅客運輸収入は増加傾向でしたが、2020年初頭からの新型コロナウイルス感染症の拡大により先行きの不透明さが増し、足下ではお客様の大幅な減少が顕著になってきています。

このような中、中期経営計画「東京メトロプラン2021」に基づき、「安心の提供」、「持続的な成長の実現」、「東京の魅力・活力の共創」の3つのキーワードを柱に、その全てに対して「挑戦」と「志」を持って各種施策を展開してまいりました。

主な進捗としては、自然災害、中でも震災対策として丸ノ内線の石積み擁壁補強が完了し、安全対策では千代田線全駅にホームドアを整備しました。新型車両も順次導入し、丸ノ内線2000系車両はその省エネルギー技術が評価され、「地球温暖化防止活動環境大臣表彰」を受けました。旅客サービスについては、多機能トイレの全駅整備を完了したほか、銀座線渋谷駅の移設工事を進め、2020年1月から新ホームの使用を開始しました。関連事業では、東急(株)、東日本旅客鉄道(株)及び当社で、2019年11月に「渋谷スクランブルスクエア第Ⅰ期(東棟)」を開業しました。

東京2020大会の開催は1年延期となりましたが、2013年の開催地決定以降、これまで進めてきた各種準備の多くが完了を迎えた1年であったと言え、これらはその先のレガシーとして全ての方が安全でわかりやすくご利用いただける持続可能な輸送サービスの提供に繋がっていくと考えています。

新型コロナウイルス感染症による足下の影響と対応

2020年1月末から段階的な入国制限に伴う訪日外国人旅行者の減少、3月以降は学校休業や外出自粛要請の影響により、お客様のご利用が大きく減少しました。当社では、1月末に私を本部長とする新型コロナウイルス感染症に関する対策本部を設置し、情報収集と対策の指示を行ってきました。お客様の感染予防対策として、車内の窓開け、時差通勤・通学やテレワーク等へのご協力を呼びかけているほか、通常の清掃・消毒に加え、駅構内や車内の抗ウイルス抗菌処置、東京メトロアプリを活用した改札口や列車の混雑状況の発信等、安心してご利用いただける環境整備に努めています。

また、鉄道運行を支える社員は不特定多数のお客様と接する機会も多いため、社員の感染予防対策を徹底しているほか、万が一社員が罹患した場合に速やかに広報することで、お客様に安心してご利用いただけることにも繋がるよう、情報提供の徹底を図っています。

「歴史観」、「世界観」、「人間観」を踏まえ、
「持続可能性」に積極的に働きかけていく

私自身、子どもの頃は夏に気温が30度を超えるとひんやりとしたプールで遊ぶことが嬉しかった記憶がありますが、徐々に真夏日が当たり前となった印象です。

近年、猛暑による熱中症が増加傾向ですし、自然災害も1995年の阪神・淡路大震災以降、大きな震災や、豪雨、台風等による災害の発生頻度が高くなっています。この傾向からも、私たちを取り巻く環境、特に自然環境の変化は著しくなったと肌身で感じており、地球全体の持続可能性に真摯に向き合っていく必要があると思うようになりました。気候変動問題にしろ、コロナ禍にしろ、人類が地球について理解していることはまだわずかで、「当たり前」に生活できることのありがたさを改めて知らされました。この「当たり前」である持続可能性は、与えられるものではなく人類が積極的に創り出さなければ築けないものです。そのことを国も個人も企業も意識しなければならず、事業活動を牽引する企業こそ率先して実践すべきだと強く認識しています。

そして気候変動や感染症のみならず、差別や不平等の是正といった様々な社会課題に対して、3つの「観」を持って対応すべきだと考えています。

1つ目が、「歴史観」です。過去産業革命があり、CO2の排出やエネルギーの消費が増えてきたことが、現在の気候変動に繋がっているという歴史の中で、人類がしてきたことを振り返り、今後成すべきことを考えることが重要です。

2つ目は、世界の人々との交流、グローバルな活動の中で生きているという「世界観」です。これまでは訪日外国人旅行者の活発なご利用があって、経済もその恩恵に預かっていたように、世界の中でどう生きていくべきなのかということも意識しなければなりません。

最後に、一人ひとりが人々との相互関係の中で生きていることから「人間観」も大事だと考えます。コロナ禍で、自分が感染しない、他人にも感染させないようにすることも、人々の相互関係の上にあると感じました。

持続可能な社会を実現するためには、これらの「歴史観」、「世界観」、「人間観」を企業活動の中にしっかりと組み込むことが、重要だと考えています。

サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)の特定

東京メトログループは、首都東京の都市機能を支える交通事業者として重要な役割を担っており、移動を通じてビジネスや生活をサポートすることで、その使命をしっかりと果たすことが、東京のさらなる発展と持続可能な社会の実現につながるものと考えています。そして、事業を通じて具体的な行動をより推進していくため、東京メトログループが貢献すべきサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)を特定しました。

マテリアリティの特定にあたっては、社会に対する影響度、当社グループにとっての重要度を軸に経営陣で複数回の議論を重ねました。検討にあたっては、2030年以降に経営の中心を担うであろう若手にも議論してもらい、彼らの考えを大いに反映しました。これら過程を経て9つの重要課題を特定し、課題解決に向け東京メトロの意志を込めた5つのマテリアリティテーマを策定しました。

鉄道起点の「地下鉄を安全に、そしてつよく」、人起点の「一人ひとりの毎日を活き活きと」、まち起点の「東京に多様な魅力と価値を」、地球起点の「地球にやさしいメトロに」、これらを支える経営基盤(土台)として「新たな時代を共に創る力を」、この各起点を軸とした5つのテーマに基づく各種取組を推進していくことで、「東京を走らせる力」というグループ理念のもと、「安心で、持続可能な社会」の実現を目指します。なかでも、「安心の提供」は特に重要であると考えています。
また、社員一人ひとりがとるべき行動をスムーズに想起できるように、テーマに掲げる言葉は慎重に、分かりやすいものを選びました。社員には、時間・規模ともに俯瞰的な目線で考え、自分の生活や仕事に照らし合わせてみる習慣を持ってほしいです。

ポストコロナに向けた中長期的な経営の考え方

新型コロナウイルス感染症の拡大は、これまで経済のグローバル化と都市ヘの資源の集中・集積によって発展してきた世界の中で、私たちの価値観を大きく変えようとしています。ワクチンや特効薬の開発によりコロナ禍が収束した“ポストコロナ”と呼ばれる社会でもテレワーク等の新しい生活様式は一定程度定着するでしょうし、鉄道事業においても、衛生面の配慮や混雑の分散といった課題がなくなることはありません。

コロナ禍によって考えさせられたのは、今までの経営スタイルが今後も社会に受け入れられるのかということです。特に象徴的なのが、ピーク時に非常に混雑していた列車を走らせることを基本に据えていては、新型コロナウイルスのような感染症への対応や、社会の持続性の確保は難しいと感じています。これを機に、今まで当たり前だと思っていた取組への視点を変え、長く、広く、そして互いに人を大事にする視点がより重要になると考えます。このように、ポストコロナの社会は、さらに持続可能性を大切にするようになっていくでしょうから、サステナビリティを中心に据えた経営に舵を切っていかなければならないと考えています。

「ウェルビーイング」に貢献する企業グループを目指して

引き続きお客様・社員の感染予防を実施しながら、国民生活、社会活動を支える社会インフラとして、「安心なご利用環境の提供」を念頭に、鉄道運行を確実に継続させることが我々の使命です。そのため、まずは駅構内や車内等の抗ウイルス・抗菌処置、消毒や混雑状況をリアルタイムに“見える化”して「密」を避けるご利用を選択いただくための情報提供に取り組んでいきます。中長期的には、ポストコロナを見据えて多様なお客様ニーズに対応した鉄道サービスを磨き込み、『安心な空間の提供』と『パーソナライズド』された『デジタル』なサービスの提供をモットーに、大都市型MaaS「my! 東京MaaS」によるお一人おひとりのニーズに沿ったサービスの展開、駅周辺のまちづくりと一体となったゆとりある駅空間の整備、そして新たなニーズに対応した新規ビジネスの展開等に取り組みます。

私たちは、一人でも多くのお客様に「良い一日だったな」と感じていただけるよう、あらゆる人々が健康で満足した生活を送ること、つまり「ウェルビーイング」に貢献したいと思っています。

東京メトログループは、グループ理念「東京を走らせる力」に基づき、移動・ビジネス・生活をトータルでサポートし、駅まち一体のリアルな空間づくりとMaaSによるデジタルな空間づくりの双方を追求し各種施策に取り組むことで、「安心で、持続可能な社会」の実現を目指してまいります。

2020年9月
東京地下鉄株式会社

代表取締役社長 山村 明義