鉄道事業を中心として成長してきた東京メトログループですが、今後も、都市・生活創造事業を含め、多様化するお客様のニーズに応えていくことで、選ばれ続ける企業であることを目指しています。様々な環境変化があるなかにおいて、人財確保やイノベーションを実現するためには、社員一人ひとりが自律して創造的な業務に挑戦していくことが求められますが、その前提として、社員一人ひとりの最大活躍を引き出すことのできる企業風土の醸成が必要であると考えています。これまでの経験等の延長線上で「答え」を出すことが難しくなっていることを踏まえ、“上位職が経験に基づき決定し下位職が実行する”ということだけでなく、“多様な社員がお互いに認め合い、アイデアを出し合い、切磋琢磨することでさらなる価値を創出し続ける”組織を目指していきます。
目指す組織像の実現に向けて、DE&Iを推進していきます。多様化するお客様のニーズに応えることはもちろん、人財確保の観点からも、多様な人財を組織に迎え入れるとともに、社員一人ひとりの置かれた状況や特性に配慮した環境や機会を提供することにより、社員一人ひとりが能力を最大限発揮できる企業風土を醸成していきます。そして、エンゲージメント向上やイノベーションによる新たな価値創造へとつなげていきます。2023年5月に人事部担当執行役員を委員長とした「DE&I推進委員会」を設置し、DE&I推進に係る事項を協議・報告する場を設けました。なお、同年8月には「DE&I宣言」を制定し、女性活躍など、DE&I推進のための各種取組みを加速させています。
人的資本経営を推進するにあたり、「求める人財像」(「自律」・「挑戦」・「協働」できる人財)を策定しました。「求める人財像」とは、社員に対して普遍的に求める心持ち・行動を示した「グループ人財理念」を前提に、今、特に求める基本的な人財像を明確化したものであり、人財戦略の中核として位置付けています。
リーダーは、メンバー・チームの安心感を高め、成長と挑戦を促していく必要があります。具体的には、リーダーはまず、最前線で業務に従事しているメンバーの声に耳を傾け、思いやり、安心感を高めていきます。また、メンバーが自ら成長していくことを支援するとともに、挑戦を後押ししていきます。そして、チームとして最良のアウトプットを出せるよう、メンバー同士のつながりや所属の垣根を越えたつながりを創出していく必要があります。このようなリーダーシップが各組織におけるDE&I実現のために不可欠であり、その先に、メンバーの「自律」「挑戦」「協働」の実現やチームとしての成果創出があると考えているため、リーダーの行動変革を促していきます。